こんにちは、みき歯科三越通りクリニックの三木武寛です。
前回のブログでは、子どもの矯正治療は“早期に始めることが大切”というお話をさせていただきました。
今回はその続きとして、「骨格の不正咬合(ズレ)」が体全体にどう影響するのかについてお話しします。
■ 歯並びだけじゃない、骨格性の不正咬合がもたらす“全身への影響”
骨格性の不正咬合(骨格のズレ)というと、見た目や歯並びの問題と思われがちですが、実はそれだけではありません。
特に**上顎が後方に位置するタイプ**では、以下のような連鎖的な問題が起こりやすくなります:
- 鼻腔が狭くなり、鼻呼吸がしにくくなる
- 舌が本来の位置に置けず、低位舌になる
- 口呼吸が常態化し、いびきや浅い眠りが起こる
- 睡眠の質が悪化し、日中の集中力低下や疲れやすさに影響
- 成長期に気道の発達が妨げられ、**顔の縦方向への過成長(ロングフェイス)**になることも
■ 骨格のズレに“呼吸の問題”が重なると…
子どもたちの中には、
- 顔が細長く、あごが小さい
- 寝ているときに口が開いている
- 日中もポカンと口が開きがち
- 鼻炎やアレルギーがあり、口呼吸している
そんな子がたくさんいます。
これは、骨格の不正咬合に「呼吸の問題」が重なっている状態です。
その結果として、
- 睡眠時無呼吸症(OSA)
- 慢性鼻炎や副鼻腔炎
- 集中力低下や学習障害
-
咀嚼・嚥下・構音(発音)など機能的問題
が生じるリスクが高くなります。
■ 骨格性不正咬合は“リスクファクター”である
つまり、骨格の不正咬合=見た目の問題ではなく、全身症状や障害のリスクファクターなのです。
このような背景を理解した上で、
- 顔貌(顔の形)
- 骨格の前後関係(Class I〜III)
- 顔の縦の比率(ハイアングル・ローアングル)
-
セファロ分析による気道評価
などをもとに、早い段階で介入してあげることが非常に大切です。
■ 子どもの未来を守るために、今できること
成長の途中にあるお子さまだからこそ、骨格や呼吸の問題にアプローチできる“タイミング”は限られています。
そして、この時期の治療が、将来的な健康や生活の質に大きな違いをもたらすのです。
「いびきが気になる」「お口が開いている」「歯並びが心配」など、どんな小さなことでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
みき歯科三越通りクリニックでは、歯並びだけでなく、呼吸・睡眠・発達までトータルに考えた矯正治療をご提案しています。