コラム

「矯正治療って、もっと早く始めてよかったんですね」 ~院長が“学び直し”で実感した、小児矯正の大切さ

こんにちは。みき歯科三越通りクリニックの三木です。

 


先日、小児矯正に関するセミナーに参加し、私自身にとってとても大きな“気づき”がありました。


特に印象的だったのは、講師の黒江先生のこんな言葉です。


「上下の歯のバランスがよさそうに見えても、それは“どちらも小さい”だけかもしれません」


これまで私が基準にしてきた考え方を、大きくアップデートさせてくれるような一日でした。





■ “拡大”というアプローチ



これまでの私は、矯正治療をする際、


  • 顎の大きさと歯のバランスが合っていない場合
  • 歯がガタガタに並んでいる場合
  • 噛み合わせに問題がある場合



こうした症状を見つけてから、どう並べるか・抜歯が必要かどうかを考えるという順序でした。


しかし、今回の学びでは、「そもそも上顎の成長を正しく引き出すことが、将来の歯並びや全身の健康にとって極めて重要である」と知りました。


上顎の骨は10歳くらいで成長が止まります。

それまでに正しく拡げてあげれば、抜歯せずに歯が並ぶスペースをつくることも可能になります。





■ 上顎の成長不足は“ほとんどの子にある”



黒江先生の臨床経験によれば、多くの子どもは、

一見「歯並びが悪くない」ように見えても、実は上下ともに小さい=上顎が劣成長の状態であることが多いそうです。


これには驚きました。


  • 口呼吸やいびきが出る子
  • 歯ぎしりが止まらない子
  • 食べるのが遅く、発音が不明瞭な子



こうした背景には、**見えない“上顎の狭さ”**が潜んでいることがあるのです。

 


■ “気づいた時点”から、“育てる矯正”へ



これまで私は、小児矯正については「何か気になることが起きたときに対応する」というスタンスでした。


しかし、今回のセミナーを通して、「もっと早い段階から、顎の成長そのものに関わっていける方法」があることを学びました。


  • 上顎を広げてあげる
  • 成長に合わせて見守る
  • 無理なく歯が並ぶ環境をつくる



それができれば、将来的に抜歯せずに矯正を終えることも可能と知りました。





■ 発達障害のあるお子さんにも合うアプローチを



床矯正や筋機能療法は、非常に効果のある治療法ですが、

患者さんのトレーニングの習慣や協力度が結果に直結するため、

発達特性をもつお子さんには難しいこともあります。


だからこそ、「装置そのものの力で成長をサポートできる方法」を知りたかった。

今回の急速拡大法との出会いは、私にとって次のステップへのヒントとなりました。





■ すべての成長段階に“優しい矯正”を



私の目標は、どんな年齢・どんな背景のお子さんでも対応できる矯正スタイルをつくることです。


  • 自然な成長を促すこと
  • お子さんにとって無理のないこと
  • 将来の健康につながること



そんな矯正を、もっと多くの方に届けたいと思っています。





■ 最後に



歯並びだけを見るのではなく、お口の成長を支えるという視点から、

これからも矯正治療を見つめていきたいと思います。


ご家族の中で気になることがあれば、いつでもご相談ください。

一緒に、お子さんの未来を考える矯正を始めましょう。