発達障がいのある患者さんたちと向き合いたい

先日、当院の歯科衛生士・大西晶子さんが沖縄の学会で行われた「発達障がいがあっても大丈夫 〜ニコニコ笑顔になる関わりのコツ〜」(漫画家・森山和泉先生)の県民公開講座に参加しました。この講座では、発達障がいを持つお子さんとの関わり方について、温かく前向きなヒントがたくさん語られました。その中から、特に印象に残った内容を皆さんにお伝えします。

違いを楽しむこと

森山先生が強調されていたのは、「違いを楽しむ」という視点でした。それぞれの子どもたちが持つ個性や特性を理解し、それをポジティブに捉えることで、子育ての時間がもっと楽しく、心豊かになるといいます。

たとえば、「この子は特定の音が好きなんだ」と気づいたら、その特性を家族みんなで共有し、日常生活の中でその子が安心して過ごせる工夫をしていくこと。違いを課題と捉えず、「その子らしさ」として受け入れることで、家族全体が笑顔になれるお話が印象的でした。

優しい言葉のかけ方

言葉の選び方が、子どもたちにどれほど大きな影響を与えるか、具体的なエピソードを通じて教えていただきました。
例えば:
• 「そこに座ってね」ではなく、「ソファーに座ってね」と具体的に伝える。
• 一度にたくさんのことを伝えるのではなく、短くシンプルに伝える。

こうした小さな工夫が、子どもにとってわかりやすく、安心感を与えることにつながるそうです。言葉がけ一つで、子どもの表情が変わることもあるというお話に、大西さんも深く共感していました。

その子に合わせた柔軟な対応

子どもたちと接する際に必要なのは、「教科書通り」の対応ではなく、その子の特性や状況に合わせた柔軟な姿勢だと話されていました。

たとえば、予定していたスケジュールがうまく進まないときでも、その子のペースに寄り添って対応すること。親や周りの大人がゆったり構えることで、子どもも安心して過ごせる環境が作られるそうです。「こうあるべき」と自分を追い込まずに、ゆっくり向き合うことが大切だと感じました。

自分の気持ちを伝えること

自分の気持ちや考えを子どもに伝えることも、とても大切だと森山先生は語られていました。たとえば、「ちょっと静かにしてほしいな」と感じたときには、「今は静かに遊んでくれるとうれしいよ」と具体的に伝えることで、子どもも大人の気持ちを理解しやすくなります。こうした自己表現の大切さは、子育てだけでなく、日々の人間関係全般に役立つ考え方だと思います。

社会全体の理解と支え

発達障がいを持つ人やそのご家族を支えるためには、周りの人たちの理解や協力がとても大切です。森山先生は、「みんなが違っていていい」という視点を社会全体で共有し、多様性を尊重する環境を作ることの大切さをお話しされていました。そのような支えが広がれば、もっと多くの人が安心して笑顔で暮らせる世の中になるのではないでしょうか。

この講座を聴講した大西歯科衛生士は、「違いを楽しむ」「言葉を選ぶ」「柔軟に対応する」など、すぐに実践できるヒントがたくさん得られたと話していました。当院でも、発達障がいのあるお子さんやご家族が安心して通院できるよう、環境や対応を工夫しています。

気になることやお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。私たちは、すべての患者さんが笑顔で安心して治療を受けられるよう、心を込めてサポートします。