こんにちは。今日は最近行われたみき内科外科医院での勉強会で学んだ、高カリウム血症に対する新しいお薬「ビルタサ」について、みなさんにも分かりやすくご紹介したいと思います。
高カリウム血症とは?
まず、「高カリウム血症」という病気について少し説明します。
カリウムというのは、体の中にある重要なミネラルの一つで、特に心臓や筋肉の働きに深く関係しています。血液中のカリウム濃度が高くなりすぎてしまうと、心臓のリズムが乱れてしまったり、重篤な場合には命に関わることもあります。
高カリウム血症は、慢性腎臓病や心不全のある方、特定のお薬を服用されている方に多く見られる症状です。
新しい治療薬「ビルタサ」とは?
そんな高カリウム血症の治療に、最近新しく登場したお薬が 「ビルタサ」 です。
これまでのお薬との違い
これまで高カリウム血症の治療には、カリウムとナトリウム(塩分)を交換する薬が使われてきました。
しかし、この方法だと塩分の摂りすぎになってしまい、心不全などの持病がある方にとってはリスクになることがありました。
それに対してビルタサは、カリウムとカルシウムを交換するタイプのお薬です。
この仕組みにより、体内のナトリウム(塩分)量を増やさずにカリウムを下げることができるという点が、大きな特徴です。
また、「カルシウムと交換」と聞くと、「今度はカルシウムが多くなってしまうのでは?」と心配になる方もいるかもしれませんが、血液中のカルシウム値に大きな変化はないと報告されていますので、ご安心ください。
飲みやすさにも配慮
ビルタサは**「懸濁用散分包8.4g」**という形で処方され、水に溶かして服用します。
溶けやすく設計されていて、少ない水でもしっかりと効果が出るようになっているため、水分制限のある心不全の患者さんにも使いやすい工夫がされています。
副作用はあるの?
どんなお薬にも副作用はつきものです。
ビルタサでも、カリウムが下がりすぎてしまうことにより、以下のような症状が現れる可能性があります。
- めまい
- 吐き気
- 便秘や下痢などの消化器症状
こうした症状が出た場合には、すぐに医師に相談することが大切です。
また、高カリウムも危険ですが、カリウムが低すぎる「低カリウム血症」もまた心臓に悪影響を与えることがあります。
ですので、定期的に血液検査を受けながら、医師の指導のもとで服薬を続けることが重要です。
お困りの方は「みき内科外科医院」へご相談ください
高松市内町にあるみき内科外科医院では、訪問診療なども含めて、心不全や高カリウム血症を含む電解質のバランス管理にも力を入れています。
ご自身やご家族がカリウムの値や心臓に不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
検査・診断・お薬の調整までしっかりサポートいたします。