コラム

【小児症例紹介】前歯1本だけの反対咬合、早期治療でスムーズに改善!

今回は、**前歯1本の反対咬合(かみ合わせがクロスしている状態)**をマウスピース型の装置で改善した小学生のお子さん2名の症例をご紹介します。

「前歯が逆になってる…」「このまま大丈夫?」と心配される保護者の方も多いと思います。早期に正しい対応をすれば、スムーズに改善できる場合が多いので、ぜひ参考になさってください。


■ CASE 1:7歳 女の子「歯並びをよくしたい」

右上と右下の前歯(中切歯)が反対にかみ合っている状態で来院。まだ乳歯と永久歯が混ざる時期ですが、このままにしておくと顎の成長にも影響が出る可能性があるため、早期の対応を選びました。


■ CASE 2:8歳 男の子「前歯を治したい」

左の前歯が1本だけ反対になっている状態でした。お口の中の状態は良好で、本人も治したい気持ちがしっかりあるとのことで、同様の装置を使って治療をスタート。


■ 使用した装置について

お二人に共通して使ったのが「切歯斜面板(せっししゃめんばん)」というマウスピース型の装置です。

  • 下の歯の型をとって専用のプレスタイプマウスピースを製作

  • 反対になっている前歯の位置に樹脂(レジン)を盛り、顎の力で自然に上の歯を前に押し出す仕組み

  • 費用:16,500円(税込)

装着の使用時間は主に夜間の就寝中ですが、朝までしっかり入れておくために、日中の「ゲーム中」「勉強中」などの時間に練習的に使うことも推奨しています。


■ 治療結果

お二人とも装置の使い方がとても上手で、装着から約1カ月で反対咬合が改善しました!

前歯1本の軽度な反対咬合は、一度正しく噛めるようになると後戻りしにくいため、改善が確認できた時点で装置は終了。現在は3カ月ごとの定期チェックで経過観察中ですが、後戻りはなく、順調に永久歯への交換が進んでいます。


■ 保護者の方へのアドバイス

この装置は、毎日使うことが大前提です。使用時間を守ることがなにより大切。加えて、唇や舌のトレーニング(お口の筋トレ)もできるとさらに効果的です。

なお、もしこの装置を正しく使用しても改善しない場合は、次の段階の装置に移行する必要があります(その際は別途費用がかかります)。


■ まとめ

前歯1本だけの反対咬合でも、放置せず早めに対応することで、短期間で大きく改善できることがあります。

「前歯が1本だけ逆に噛んでいる気がする」
「様子を見ていたけど、やっぱり気になる」
そんなときは、ぜひお気軽に当院までご相談ください。お子さんの将来のためにも、今がとても大切な時期です。