院長ブログ

コラム

オーラルフレイルってご存じですか?

こんにちは。

今日は高齢の方にみられる「オーラルフレイル」について新しい情報を得ましたのでご報告します。

オーラルフレイルとはお口の機能(食べること・話すこと)が低下することを言います。

以前にもブログでご説明したことがありました。

【主張】「オーラルフレイル」と「口腔機能低下症」について

この頃はまだオーラルフレイルという言葉自体がわれわれ歯科医の中でもようやく広まってきた状況で、お口の機能を回復させる訓練に初めて保険点数が付与されたタイミングでもありました。

その後、香川県内においても香川県歯科医師会が中心となり、県内の歯科医院に通っている70歳以上の患者さんを対象にオーラルフレイルと診断される人がどれくらいいるのかを調査してきました。

そもそもオーラルフレイルをどのように判定しているかというと、以下の6項目の検査を行いオーラルフレイルの診断基準に当てはまるかどうかで判断しています。

  • 歯の本数
  • かむ力
  • 舌を動かす力
  • 滑舌
  • 半年前から硬いものが食べにくい
  • お茶などでむせる

以上の6項目のうち該当するものが3項目以上あればオーラルフレイルと診断されます。それぞれの検査方法の詳細はここでは省略しますが、患者さんの主観によるものや機器を用いた検査などを行います。

 

昨年度のオーラルフレイル調査にご協力いただいた患者さんは香川県内で約1500人でした。そのうちオーラルフレイルと判定された人は全体の21.4%、男性と女性での違いは見られなかったとのことです。

当院も今回の調査に協力していますが、検査した方の20~30%の方が3項目以上だったので全体の結果と同様の数値であることがわかりました。

 

また、オーラルフレイルと診断された方のうち約25%の方に全身の筋肉量の低下を意味するサルコペニアが見られたとのことです。

お口の機能が低下すると、食事量が減り、体重が減少します。その後、運動量が低下し、転倒などのリスクが増え、骨折などにより活動量が大幅に減少し、最後には寝たきりの状態になってしまいます。

 

このような負の循環を食い止めるために、オーラルフレイルと診断された段階で適切な運動(トレーニング)を行い、機能を改善することが大切です。

今回の調査ではオーラルフレイルと診断された方に対し、検査した歯科医院において2か月間のトレーニングを行ってどれだけ改善が見られたかについても注目していて、どの年代においても改善の傾向が見られましたが、85歳以上は改善に時間がかかったとのことでした。

お口の機能もスポーツと同じで、動かさなければどんどん衰えてしまいます。

 

従って、適切な運動・トレーニングが必要となり、それもなるべく早い段階から習慣づけることが重要と考えます。

「最近むせやすくなったな」とか「かみにくくなった」と感じられた方は、なるべく早く歯科医院を受診し、適切な指導を受けていただきたいと思います。

 

当院においても上記のすべての検査、トレーニングを専用の機器を用いて専門的に行うことができます。

「お口の機能低下」=「オーラルフレイル」

気になる方はぜひご相談ください。