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みき先生ブログ「朝のひとり言から心を込めて」#4~障害者歯科との出会い~」

こんにちは。

 

前回のブログで障害者歯科についての講演の際には、まずは自分がこの分野を専門としたきっかけについて話をしていることを書きました。

 

そもそも僕の場合はこの「障害者歯科」という分野に学生の頃からあまり興味がありませんでした。というのも当時母校のこの科目の授業は全て座学であり、話を聞いているだけでは具体的な臨床の現場が想像できなかったというのが理由です。勉強をして試験を受けますから知識はちゃんと習得します。ただそれが将来の自分の臨床像とは結び付かなかったというのが正直な感想です。

 

大学を卒業し、香川大学医学部付属病院の歯科口腔外科に就職しました。

そちらでは難しい親知らずを抜いたり、口腔癌や骨折など一般の歯科医院では扱えないような疾患の治療を学んだりする日々を過ごしていました。この頃はこの分野で将来ずっと働いていこうと思っていたので、今のように開業医になることすら頭にありませんでした。

 

そんな中歯科医師になって3年目になった時(今年の4月で15年目になります)、大学から派遣で(いわゆるアルバイト)ある病院の歯科に行くように言われました。それが僕の前職場であるかがわ総合リハビリテーションセンターの障害者歯科外来だったのです。

 

口腔外科を学んだ人は少なからず全身状態を把握することに長けていることもあり、重い障がいのある人も通うこちらの外来は開設当初から香川大学医学部附属病院からの歯科医師の巡回で成り立っていました。

 

と言ってもまだ歯科医師になって3年目のわたしは、指導医もいない中で自分に何ができるのだろうと不安を抱えながら勤務初日を迎えました。実際に診療を始めると、患者さんが診療台に安定して横になっていることもありませんでしたし、あーんと口を開けることができないのでミラーで診察することすら難しいという事がわかりました。そしてまさにその日のうちに、この分野の本当の難しさや自分の無力さに気付く出来事があったのです。

 

明日はこの時の出来事についてお話しようと思います。

 

(続く)

 

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